ITが発達して、と言われて10年以上は経つでしょうが、ITの発達はなお止まるところを知らないように見えます。
同時に、人の「生き方」も多様になっています。決められた時刻・場所に出勤すること、服装を揃えること、当たり前だったことは次第に当たり前でなくなっていきます。
こうなってくると、「別に、ひとりで生きていけるんじゃね?」と思ってしまいます。億劫な人付き合いを離れ、必要なことだけ身につければ「ひとりで」生きていくことも可能です。結婚しないという風潮も、こんな個人主義の表れかもしれません。
でも、どんなに周辺技術が発達し、精神の変化が起こっても、人はひとりでは生きていけません。
なぜ人はひとりでは生きていけないのでしょうか。
小学校の道徳(という授業が今もあるのか定かではないですが)で習いそうな話ですね(笑)。色んな視点から説明できると思いますが、経営学的に述べると以下のようになるでしょうか。
人間が生活していくだけの資源調達や生産サイクルは、一人で回すには大きすぎるため、複数人で担保・役割分担し合わねばならないから。
もちろんこれも、経営学のある立ち位置からみるとこう言える、というだけなのですが。
要は、現代で生きていくに満足な生活を送るためには、社会=多数の人間が関係しあう集団下で生活することが一番合理的であるから、皆無意識にでもその選択を行っているということです。
そして、その中では今なお人が直接触れ合って、無意味とも思える習慣を共有し、一種の息苦しさを感じながらでも一緒に居ないとなされない生産行為もあります。
これは浪花節ではなくて、経営学的にも実証可能なことです。
しかし一方で、ある思想のもとでは、人は社会における束縛を受けず、個人の自由主義的に生きていくことが許されるような考え方もあります。あるいは、フリーライダー問題のように、自分だけが社会に対するコミットをさぼっても恩恵が受けることも可能です。
このように、社会下での恩恵は受けつつも、そのぶん社会に払うコストはケチりたい、という思想は往々にしてあって、これも経営学(どちらかというと経済学寄りですが)によってアプローチすることが出来ます。
このような思想は誰もが持ちがちで、あるいは持つ人に悩まされることも多いでしょう。しかし、経営学はこのような個人と組織、個人と集団、個人と組織、個人と企業という問題にも多く関わっています。その紐解き方は、一様ではありません。
あなたはどう感じたでしょうか。その感じ方を、概念と照らし合わせて経営学に触れてみてください。